ハチネタブログ
日本に生息しているスズメバチの仲間
・オオスズメバチ
・キイロスズメバチ
・モンスズメバチ
・ツマグロスズメバチ
・クロスズメバチ
・ツヤクロスズメバチ
・ヤドリスズメバチ
身体は黒色で白い斑紋(一部の種は黄色い斑紋)があります。
営巣場所は閉鎖的な場所で、大部分が土中ですが、稀に屋根裏や樹洞にも営巣します。
幼虫の餌として、主にハエやアブなどの小型の昆虫やクモなどを狩ります。
攻撃性、威嚇性は強くありません。
『地蜂』『へぼ』などと呼ばれ、幼虫や蛹を珍味として食べられることがあります。
・キオビホオナガスズメバチ
・シロオビホオナガスズメバチ
・ニッポンホオナガスズメバチ
・ヤドリホオナガスズメバチ
体長は女王バチ16~22mm、働きバチ11~16mm、オスバチ13~20mmで、黒色の体に白い斑紋(一部の種は黄色い斑紋)があります。
営巣場所はコガタスズメバチと同じように、木の枝や人家の軒先など開放的な場所を好みます。
巣の外皮は灰色の和紙状で、下の方が細くなった提灯型をしています。
巣の出入り口は、下方にやや横向きについています。
幼虫の餌として生きたハエ、アブ、ガなどの昆虫やクモなどを狩ります。
攻撃性、威嚇性ともスズメバチ属に比べると、それほど強くありません。
スズメバチの巣をアプリで特定 高専生の研究
スズメバチの巣、アプリで特定 佐世保高専生が駆除効率化へ研究
佐世保高専の学生4人が、在来種のハチなどを食べる外来種ツマアカスズメバチの駆除に役立つアプリの開発に取り組んでいる。ツマアカスズメバチの羽音を捉え、無線技術を応用して移動経路を特定する。人の目で探すよりも短時間で巣の場所を見つけることができ、駆除の効率が高まりそうだ。
ツマアカスズメバチは中国南部、台湾、東南アジアなどの原産で、在来種の生態系や農作物に被害をもたらす特定外来生物に指定されている。国内では、2012年に長崎県対馬市で初めて確認。繁殖力が強く、養蜂に必要なニホンミツバチの捕食被害が起きている。
対馬市と環境省は市民から目撃情報を基に、目視で巣の場所を探す。高い場所に巣を作っていることが多く、専門業者が高所作業車で駆除するという。
学生は電気電子工学科の猪原武士講師(33)の指導で、ツマアカスズメバチの羽音の周波数が在来種のハチと大きく異なることに着目。複数の場所に設置した集音装置で羽音を捉えれば、移動経路や巣の場所が特定できると考えた。アプリの開発には、少ない消費電力で長距離通信ができる無線技術を活用。地図で羽音が多く確認された場所が分かるようにする。
5月から研究に着手。8月に最新の通信技術を使って地域課題を解決する総務省主催のコンテストで、研究助成費275万円を獲得。集音装置が安価で、普及や応用がしやすい点が評価された。来年3月まで実証実験を重ねる。
現在は羽音の周波数の解析や、集音装置とデータの送受信機を連動させる研究を進めている。近く対馬市を訪れ、ツマアカスズメバチの羽音を集音する予定だ。
対馬市文化交流・自然共生課の神宮周作主任は「人が少ない山あいで繁殖が懸念されている。巣の発見が容易になる仕組みは地元も待ち望んでいる」と期待。プロジェクトリーダーの専攻科1年道上竣介さん(20)は「対馬市の課題解決につなげるために、なんとしても実現させたい」と意気込む。 (岩佐遼介)
2020年9月22日 西日本新聞
今年のスズメバチ 新型コロナと長梅雨の影響は
スズメバチに特別警戒を 新型コロナの影響で巣が撤去されず...長梅雨で小型化も
各地で猛暑が本格化し、秋にかけてスズメバチへの注意が必要な季節となる。今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛の影響で、街中に人目に付かないまま残った巣が多くあることに加え、長梅雨によって巣が小型化して見つけにくくなっているという。専門家は「思いもよらない場所でハチに刺されないために、正しい対策を身につけてほしい」と注意を呼び掛けている。(奥村圭吾、天田優里)
東京都江戸川区の幼稚園で3日夕、園庭で遊んでいた4歳の男児2人と、40代の男性職員1人がスズメバチに刺された。3人は救急車で病院に搬送されたが、幸い軽いけがで済んだ。
警視庁や東京消防庁によると、園庭にある木に15センチほどの巣があり、それに気付いた園児が「虫がいる」と木を揺らしたところ、ハチが攻撃してきたという。園は、巣の存在に気付いていなかったとみられ、巣は救急隊員が撤去した。
玉川大(東京都町田市)の小野正人教授(応用昆虫学)によると、都会で生息数が増えているキイロスズメバチなどは、春から巣を作り始め、秋に最も大きくなる。通常、でき始めの巣を発見した人や連絡を受けた管理者が人知れず撤去しているが、今年は外出する人が減った影響で、誰にも気付かれずに残った巣が多いという。
さらに長梅雨と豪雨が重なり、スズメバチの巣作りが邪魔されたことも危険な要因と指摘する。小野教授は「小型で目につきにくい巣が、公園の茂みなどに隠れている可能性がある」と警鐘を鳴らす。
ハチの毒針に刺されると、「アナフィラキシーショック」というアレルギー反応を引き起こすことがある。呼吸困難や吐き気などの全身症状が出て、数十分で意識を失ったり、心肺停止したりする危険性がある。
刺されないための対策として、小野教授は、ハチを刺激する黒い服や香水を避け「ハチと鉢合わせしたら手で追い払わず、ゆっくりと後ずさりして避難してほしい。白っぽい帽子や布で頭や皮膚を隠すのも効果的」とアドバイスする。
刺された場合は、数十メートル避難し、冷水で洗い、皮膚をつまんで毒素を出すなどの応急処置が必要だ。患部のはれや痛み以外に、めまい、じんましんなどの全身症状が出たら「すぐに救急車を呼ぶか病院を受診してほしい」と呼び掛ける。
厚生労働省の人口動態統計によると、全国でスズメバチなどのハチに刺されたことによる死者は2018年に12人、17年13人、16年19人。
食材としてのスズメバチ
昆虫を食べる習慣は、世界各地で見られますが、日本ではスズメバチをはじめ、イナゴ、蚕、セミ、などが昆虫食の対象とされてきました。
昆虫食は、日本の山間部では、川魚に匹敵する貴重なタンパク源として、古くから親しまれてきました。
戦後の交通事情や輸送技術、食料の保存技術の発達に伴って、日本の昆虫食の文化や習慣などは、一般的にはほとんど失われ、現在では限られた地域にその風習を残すのみです。
その中でも、スズメバチとイナゴは、現在も各地で食べられており、特にスズメバチの子であるサナギと幼虫は「ハチの子」と呼ばれ、日本における昆虫食の代表格でもあります。
日本では佃煮などにして食べられることが多いのですが、ハチの子には多くの栄養素が豊富に含まれており、中国では漢方としてもちいられ、副作用のない安全な不老長寿の最高薬とされています。
地域によってはスズメバチの成虫を食べるところもあり、揚げたり甘露煮にしたり、フライパンで炒ってご飯にかけるなど、いろいろな食べ方があるようです。
長野県や岐阜県、さらに愛知県の山間部などでは、スズメバチを使用した食品があちこちで販売されており、その種類も豊富です。
スズメバチといっても日本には17種類が知られていて、スズメバチ属8種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の3つのグループに分けられています。
この中で、クロスズメバチ属のクロスズメバチとシダクロスズメバチが、これらの地域では「ヘボ」と呼ばれ、古くから農家にとっては畑や田んぼから害虫をとってくれるありがたい存在であるとともに、食材としても愛されてきました。
森の中からヘボの巣をとってきて、巣の中の「ハチの子」と呼ばれる幼虫やさなぎをとりだして食べるのです。
とはいえ、ヘボは土の中に巣を作るので、かんたんには見つけることができませんので、「ハチ追い」という方法で、地中の巣をさがしだす必要があります。
また、野山のものは巣の大きさが最大になる時期でも、1~2キログラムほどなのですが、
巣箱でうまく育てれば5キログラム以上になるため、森の中からとってきたヘボの巣の飼育も盛んにおこなわれています。
これらの地域では、ヘボの巣の重さを競うコンテストが開かれています。
商品例
甘露煮
へぼ(クロスズメバチ)を使ったものがほとんど。
成虫だけのものや、蜂の子(幼虫やさなぎ)だけのもの、その両方を使用したものがある。
缶詰やビン詰で売られているものも多い。
炊き込みご飯や、ちらし寿司の具によく使われています。
煎餅
へぼ(クロスズメバチ)の成虫が入った煎餅。
餅
へぼ(クロスズメバチ)をすりつぶして混ぜたたれを付けた五平餅。
機能性飲料
スズメ蜂エキスが入った、健康の保持・増進に役立つとされている飲料水。
蜂蜜、ローヤルゼリー、プロポリスなども入っている。
アルコール飲料
スズメバチを焼酎に漬け込んだものや、日本酒に沈められているものがある。
主にオオスズメバチやキイロスズメバチが使われています。
私は食べる勇気がなく、まだ食べたことがありませんので、味や触感などの説明は今のところできません・・・
参考資料
「季節のごちそう ハチごはん」横塚眞己人
株式会社ほるぷ出版
日本に生息しているスズメバチ3属17種
日本には、スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属の3属17種が生息しており、一般にスズメバチというとスズメバチ属8種のことを指します。