ハチネタブログ
チャイロスズメバチの乗っ取り
作成日:2016年05月19日(木)
チャイロスズメバチの珍しい行動をご紹介します。
チャイロスズメバチは自身で巣を作ることができますが、手間をはぶくためにしばしば別のスズメバチの巣を乗っ取ります。
存在自体が珍しいハチですのでかなりマニアックな話になりますが・・・
チャイロスズメバチの女王バチは、モンスズメバチやキイロスズメバチ、コガタスズメバチの働きバチがまだ10匹足らずの若い巣に侵入し、女王バチを殺してその巣の女王になりすまし、巣ごと乗っ取ってしまいます。
チャイロスズメバチは特に強いハチというわけではありません。
別のハチの巣に少しずつ、時には数日かけて接近し侵入するのです。
警戒されてつつかれても、多少の攻撃にもじっと耐えながら近付いて行き、いつの間にかその巣のにおいを体に付け、とけ込んでしまうのです。
巣への侵入に成功したチャイロスズメバチは、隙をついてその巣の女王バチを殺します。
自らの女王が殺されたことに気付かない働きバチたちは、元の女王バチのにおいがたっぷり付いたチャイロスズメバチを自分たちの女王と思い込みしたがいます。
巣の中では元からいた種の働きバチと、新しく生まれたチャイロスズメバチの働きバチとの共同生活が始まるのですが、一か月半ほどでチャイロスズメバチだけになり、巣の乗っ取りが完全に完了します。
チャイロスズメバチ ※左端は女王バチ