ハチネタブログ
『ザ!鉄腕!DASH!!~DASH島~』に資料を提供しました
読売テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』番組制作会社様より資料提供のご依頼があり、協力させていただきました。
番組内の~DASH島~のコーナー内で、空になったスズメバチの巣は古くから縁起物やお守りとして飾られることがあったという内容を紹介する為に取材をうけ、その資料を提供させていただきました。
放送日2022年11月27日(日)19:00~
昆虫界最強はカブトムシ?オオスズメバチ?
NHK NEWS WEB、山口 NEWS WEB
NHK NEWS WEB
NHK
今回の研究・調査発表は、樹液場の取り合いにおいては昆虫の王様ともいわれるカブトムシを、オオスズメバチが制する傾向にあるということが確認されたという興味深い内容でした。
しかしながら、これはあくまでも樹液場での関係性であって、両者がお互いに敵対関係、つまり捕食対象ではないこともあらためて確認されたといえるのかもしれません。
では、オオスズメバチを捕食対象とする昆虫はいるのでしょうか?
スズメバチを捕食する昆虫といえば、有名なのはオニヤンマとカマキリです。
オニヤンマはトンボの種類のなかで10cm以上にもなる日本最大級のトンボで、時速80kmにも達する飛行速度と優れた機動力でスズメバチを捕食することが知られています。
作り物のオニヤンマを軒下に吊るして、スズメバチの巣作りの予防に利用されることもあり、スズメバチの天敵といえるでしょう。
とはいえ、オオスズメバチもスズメバチの種類のなかで別格の大きさ、機動力、パワーを備えているため、オオスズメバチにとっては天敵とは言い難いでしょう。
カマキリもスズメバチを捕食することで知られていますが、こちらは空中戦においては圧倒的にスズメバチに分があるために、逆にスズメバチに捕食される場合も珍しくはありません。
厳密には食すのはスズメバチの幼虫であり、スズメバチの成虫が獲物を捉えて肉団子にし、巣に持って帰り幼虫に与えます。
他のスズメバチに対しても捕食されてしまうこともあるカマキリですので、カマキリもまたオオスズメバチにとっては天敵とは言い難いでしょう。
したがって、昆虫界においてはオオスズメバチの脅威となる存在は今のところいないのかもしれません。
ハチに刺されたらポイズンリムーバー!
登山やキャンプは自然の中で行うので、何が起こるか分かりません。
ハチに限らず、ヘビやムカデなどに刺されたり、噛まれたりして毒を注入されてしまうことがあります。
そんな時に有効なのがポイズンリムーバーです。
ポイズンリムーバーは、蜂やアブ、蚊、毒虫などに刺された時、患部から毒液や毒針を吸引作用で抽出する器具で、医師の手当てを受けるまでの応急処置としてアウトドアの必携品です。
すぐに毒液や毒針を正しく排出すれば症状の悪化を防いでくれます。
慌てて口で吸うなどせず、正しく道具を使用して適切な応急処置をしてください。
ただし、刺されたら数分以内にはポイズンリムーバーで吸引しましょう。
時間が経ち過ぎてからの使用は、あまり効果に期待ができません。
私も蜂の巣駆除の際には必ず持ち歩いているもので、ハチ駆除屋にとっての必須アイテムといえます。
ハチ駆除に限らず、山歩きや畑仕事、散歩の際のもしもの時に備え、一つ持っていれば安心です。
また、自然環境が豊かな場所にお住まいの場合は、ご家庭にもお備えしておくことをおすすめします。
いくつかの製品が発売されていますが、どれも小型で軽く、誰にでも手軽に使用できるものです。
価格は1,000~3,000円のものがほとんどで、使用後に洗浄すれば繰り返し使うことができます。
ちなみに、私が普段持ち歩いているものはこれです↓
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ドクターヘッセル インセクト ポイズンリムーバー 1,200円程度
《主な対象種》
ハチ・ブユ(ブヨ・ブト)・アブ・ムカデ・蛾(ドクガ類)・蛾(イラガ類)・蚊・ゲジ(ゲジゲジ)・蛇(ハブ・マムシ)など
※その他の製品や使い方については、こちらのサイトで詳しく解説されています。
過去に強いアレルギー反応がでたことがあるのなら、エピペンも常備しておくといいかもしれません。
私は実際に使用したことはまだありませんが、万が一の場合を想定して常備しています。
エピペンはアドレナリン自己注射薬で、根本的治療をするものではありませんが、医師の治療を受けるまでの間、アナフィラキシー症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤です。
アナフィラキシーショックによる意識喪失や窒息を回避し、救急車の到着までに死亡することを高確率で避けられるそうです。
アナフィラキシーショックはハチに限らず様々なもので起こるので、心配な方はエピペン処方医師に登録された医師のいる医療機関で診察を受け、処方してもらってください。
夏は毒を持つ生物の活動期!
夏本番ともなれば、海や山へ出かける人も多いと思います。
気を付けなければならないのは、この時期毒を持つ生物が活発に活動するということです。
そのなかでも、わりと遭遇する頻度が高い生物として、以下のようなものがあります。
スズメバチ
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最も遭遇する可能性が高いのが、このスズメバチでしょう。
山に限らず住宅地においても、日常生活のなかで遭遇することがある種です。
毒を持つ大型の蜂として有名な昆虫ですが、攻撃的な性格なので、見つけたりした場合は静かに離れるようにしましょう。
スズメバチは、濃い色の物に警戒を示す習性があるため、山に入る時はできるだけ白っぽい服装にし、髪の毛などは帽子などで隠すことをおすすめします。
万が一刺された時は、すぐに下山して病院へ向かうようにします。
特に発疹が出たり、息苦しくなったりといった症状が出てきた場合、スズメバチの毒に対して急激なアレルギー反応が起きている可能性があります。
重篤な状態に至りかねませんので、できるだけ迅速に病院へ行きましょう。
マムシ
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マムシは日が差すような場所ではなく、昼間でも薄暗いような藪や山道で遭遇します。
咬まれると患部に焼けるような痛みが起こり、著しく腫れ上がることが多いとされています。
南西諸島や沖縄県に生息するハブよりは、重篤な状態に至らないといわれますが、死亡する場合もある危険な生物です。
長靴や長袖を身につけるようにし、万が一咬まれた場合は、可能な限り安静を保ち、救急車を要請するほうが好ましいとされています。
携帯電話が繋がらない場所の場合や、救急車の要請が難しい場合は、患部の近くを包帯などで固定し、息が上がらないように気を付けながら病院へ急ぎましょう。
息が上がらないように移動するのは、毒が急速に全身に回らないようにするためです。
ゴンズイ
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海でも注意しなければならない生物がたくさんいます。
よく目にする毒を持った生物といえばゴンズイでしょう。
堤防や港などで釣りをしているとよく掛かる魚で、ユーモラスな顔をしていますが、毒針を持っており、手で触れたりすると数日は激しい痛みが残ります。
釣れてしまった場合は、釣り糸ごと切って海に捨てるほうが無難でしょう。
誤って触って刺された場合には、激しい痛みが残りますので、棘を抜いて早めに病院を受診するようにしましょう。
アカエイ
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尾の根本に毒がある針を持っており、刺されると激しく痛みます。
釣りをしている時に、たまたま釣り上げた際に触れて、刺されることがあります。
また、浅瀬に上がってくることも多く、砂と似た色をしているため、誤って踏んでしまい刺されることもあります。
アカエイに刺されると、血圧低下、呼吸困難などの症状が出て重篤な状態に至るケースが珍しくありません。
可能なら患部を圧迫して毒を洗い流し、できるだけ早く病院で医師の診察を受けるようにします。
カツオノエボシ
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毒を持つクラゲの中でも、刺されると激しい痛みを起こすクラゲです。
とてもきれいな青い色をしていますが、海水浴などで見かけた場合は、絶対に触れてはいけません。
また、波打ち際に打ち上げられていることもありますので、誤って踏んだりしないように気をつけましょう。
刺された場合、患部にカツオノエボシの触手が残っている場合は、そっと引きはがし、清潔な海水で洗いましょう。
カツオノエボシに刺されると患部が腫れ、激しいかゆみが出ることがありますが、これはアレルギー反応の一種です。
小児が刺された場合や、大人でも刺された範囲が広い場合は、ショックを起こす場合がありますので、激しい痛みやかゆみ、呼吸が苦しくなるような症状が出た場合は、救急車を呼びましょう。
他にも、危険な生物はたくさんいます。
海や山へ出かける場合は、可能な限り肌を露出させた服装をせず、場合によっては、医師に相談して応急処置に使える医薬品を持参するくらいの備えも必要です。
ハチ刺傷による年齢別死亡者数
そのほとんどがスズメバチによるものですが、ミツバチやアシナガバチによるものも含まれています。

特に高齢者に多く、60歳以上が全体の約80%を占めています。
ハチ刺されによる死亡事故のほとんどが、山林や畑での作業中に発生しており、そのような作業をされる高齢者が多いことが考えられます。
蜂に刺されないために注意すべきこと
トレッキングやキャンプ、BBQなどで山に遊びに行く方が増える時期は、蜂が活発に活動する時期でもあり、蜂に遭遇しないようにすることはとても難しいことです。
蜂との遭遇が避けられない以上、蜂に刺されないように気を付けるしかなく、そのためには蜂に敵と認識されないようにすることが重要です。
注意すべきことは色、匂い、そして動作です。
≪色≫
蜂は世界が白黒に見えていると言われ、白と黒の濃淡で物を認識し、日中であれば黒に近ければ近い色ほどはっきりと認識され、攻撃される危険性が上がってしまいます。(表-1)
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黒に攻撃するのは、蜂の天敵である熊の色が黒に近いからとよく言われますが、黒いほうがよく見えるからと言ったほうがいいかと思います。
ですので、何色かというよりも色の明るさが重要になってくるのです。
我々のように蜂の駆除をする業者のほとんどが、白色の作業服を採用しているのはこのためです。
山に入る際は、黒色のものを身に付けるのを避け、出来るだけ明るい色の服装を心がけて下さい。
それから、日本人特有の黒髪も危険で、頭や顔がまず狙われてしまいます。
したがって、日差しを避けるだけでは無く、髪を隠すという意味でも帽子をかぶることをおすすめします。
白いタオルを頭に巻くのも効果的です。
ちなみに夜間は日中とは逆に、暗い服装のほうが暗闇に溶け、より安全になります。
※例外として、ミツバチは白黒以外に数種類の色を認識できるといわれています。(表-2)
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≪匂い≫
蜂は色にだけでなく、匂いにも反応を示します。
香水やヘアスプレー、ペンキなどの、人工的な匂いや刺激の強い匂いを嫌いますので、風向きによっては巣から距離があっても攻撃対象にされてしまうおそれがあります。
逆に蜂が好む匂いは柑橘系の香りや甘い匂いで、この場合は匂いに誘われて蜂を近付けることになります。
野外に放置されたジュースの空き缶などにも寄ってきますので注意が必要です。
そして、虫除けスプレーは蜂には効果がないとされています。
≪動作≫
左右の速い動きや大きな音を非常に警戒する習性がありますので、蜂が目の前に現れた時に叫んだり、走ったり、手で払うとこちらが攻撃していると見なされて、余計に危険です。
慌てるのは禁物で、恐怖を押し殺してゆっくり蜂の視界から逃れるように後退して下さい。
日本に生息しているスズメバチの仲間
・オオスズメバチ
・キイロスズメバチ
・モンスズメバチ
・ツマグロスズメバチ
・クロスズメバチ
・ツヤクロスズメバチ
・ヤドリスズメバチ
身体は黒色で白い斑紋(一部の種は黄色い斑紋)があります。
営巣場所は閉鎖的な場所で、大部分が土中ですが、稀に屋根裏や樹洞にも営巣します。
幼虫の餌として、主にハエやアブなどの小型の昆虫やクモなどを狩ります。
攻撃性、威嚇性は強くありません。
『地蜂』『へぼ』などと呼ばれ、幼虫や蛹を珍味として食べられることがあります。
・キオビホオナガスズメバチ
・シロオビホオナガスズメバチ
・ニッポンホオナガスズメバチ
・ヤドリホオナガスズメバチ
体長は女王バチ16~22mm、働きバチ11~16mm、オスバチ13~20mmで、黒色の体に白い斑紋(一部の種は黄色い斑紋)があります。
営巣場所はコガタスズメバチと同じように、木の枝や人家の軒先など開放的な場所を好みます。
巣の外皮は灰色の和紙状で、下の方が細くなった提灯型をしています。
巣の出入り口は、下方にやや横向きについています。
幼虫の餌として生きたハエ、アブ、ガなどの昆虫やクモなどを狩ります。
攻撃性、威嚇性ともスズメバチ属に比べると、それほど強くありません。
スズメバチの巣をアプリで特定 高専生の研究
スズメバチの巣、アプリで特定 佐世保高専生が駆除効率化へ研究
佐世保高専の学生4人が、在来種のハチなどを食べる外来種ツマアカスズメバチの駆除に役立つアプリの開発に取り組んでいる。ツマアカスズメバチの羽音を捉え、無線技術を応用して移動経路を特定する。人の目で探すよりも短時間で巣の場所を見つけることができ、駆除の効率が高まりそうだ。
ツマアカスズメバチは中国南部、台湾、東南アジアなどの原産で、在来種の生態系や農作物に被害をもたらす特定外来生物に指定されている。国内では、2012年に長崎県対馬市で初めて確認。繁殖力が強く、養蜂に必要なニホンミツバチの捕食被害が起きている。
対馬市と環境省は市民から目撃情報を基に、目視で巣の場所を探す。高い場所に巣を作っていることが多く、専門業者が高所作業車で駆除するという。
学生は電気電子工学科の猪原武士講師(33)の指導で、ツマアカスズメバチの羽音の周波数が在来種のハチと大きく異なることに着目。複数の場所に設置した集音装置で羽音を捉えれば、移動経路や巣の場所が特定できると考えた。アプリの開発には、少ない消費電力で長距離通信ができる無線技術を活用。地図で羽音が多く確認された場所が分かるようにする。
5月から研究に着手。8月に最新の通信技術を使って地域課題を解決する総務省主催のコンテストで、研究助成費275万円を獲得。集音装置が安価で、普及や応用がしやすい点が評価された。来年3月まで実証実験を重ねる。
現在は羽音の周波数の解析や、集音装置とデータの送受信機を連動させる研究を進めている。近く対馬市を訪れ、ツマアカスズメバチの羽音を集音する予定だ。
対馬市文化交流・自然共生課の神宮周作主任は「人が少ない山あいで繁殖が懸念されている。巣の発見が容易になる仕組みは地元も待ち望んでいる」と期待。プロジェクトリーダーの専攻科1年道上竣介さん(20)は「対馬市の課題解決につなげるために、なんとしても実現させたい」と意気込む。 (岩佐遼介)
今年のスズメバチ 新型コロナと長梅雨の影響は
スズメバチに特別警戒を 新型コロナの影響で巣が撤去されず...長梅雨で小型化も
各地で猛暑が本格化し、秋にかけてスズメバチへの注意が必要な季節となる。今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛の影響で、街中に人目に付かないまま残った巣が多くあることに加え、長梅雨によって巣が小型化して見つけにくくなっているという。専門家は「思いもよらない場所でハチに刺されないために、正しい対策を身につけてほしい」と注意を呼び掛けている。(奥村圭吾、天田優里)
東京都江戸川区の幼稚園で3日夕、園庭で遊んでいた4歳の男児2人と、40代の男性職員1人がスズメバチに刺された。3人は救急車で病院に搬送されたが、幸い軽いけがで済んだ。
警視庁や東京消防庁によると、園庭にある木に15センチほどの巣があり、それに気付いた園児が「虫がいる」と木を揺らしたところ、ハチが攻撃してきたという。園は、巣の存在に気付いていなかったとみられ、巣は救急隊員が撤去した。
玉川大(東京都町田市)の小野正人教授(応用昆虫学)によると、都会で生息数が増えているキイロスズメバチなどは、春から巣を作り始め、秋に最も大きくなる。通常、でき始めの巣を発見した人や連絡を受けた管理者が人知れず撤去しているが、今年は外出する人が減った影響で、誰にも気付かれずに残った巣が多いという。
さらに長梅雨と豪雨が重なり、スズメバチの巣作りが邪魔されたことも危険な要因と指摘する。小野教授は「小型で目につきにくい巣が、公園の茂みなどに隠れている可能性がある」と警鐘を鳴らす。
ハチの毒針に刺されると、「アナフィラキシーショック」というアレルギー反応を引き起こすことがある。呼吸困難や吐き気などの全身症状が出て、数十分で意識を失ったり、心肺停止したりする危険性がある。
刺されないための対策として、小野教授は、ハチを刺激する黒い服や香水を避け「ハチと鉢合わせしたら手で追い払わず、ゆっくりと後ずさりして避難してほしい。白っぽい帽子や布で頭や皮膚を隠すのも効果的」とアドバイスする。
刺された場合は、数十メートル避難し、冷水で洗い、皮膚をつまんで毒素を出すなどの応急処置が必要だ。患部のはれや痛み以外に、めまい、じんましんなどの全身症状が出たら「すぐに救急車を呼ぶか病院を受診してほしい」と呼び掛ける。
厚生労働省の人口動態統計によると、全国でスズメバチなどのハチに刺されたことによる死者は2018年に12人、17年13人、16年19人。
食材としてのスズメバチ
昆虫を食べる習慣は、世界各地で見られますが、日本ではスズメバチをはじめ、イナゴ、蚕、セミ、などが昆虫食の対象とされてきました。
昆虫食は、日本の山間部では、川魚に匹敵する貴重なタンパク源として、古くから親しまれてきました。
戦後の交通事情や輸送技術、食料の保存技術の発達に伴って、日本の昆虫食の文化や習慣などは、一般的にはほとんど失われ、現在では限られた地域にその風習を残すのみです。
その中でも、スズメバチとイナゴは、現在も各地で食べられており、特にスズメバチの子であるサナギと幼虫は「ハチの子」と呼ばれ、日本における昆虫食の代表格でもあります。
日本では佃煮などにして食べられることが多いのですが、ハチの子には多くの栄養素が豊富に含まれており、中国では漢方としてもちいられ、副作用のない安全な不老長寿の最高薬とされています。
地域によってはスズメバチの成虫を食べるところもあり、揚げたり甘露煮にしたり、フライパンで炒ってご飯にかけるなど、いろいろな食べ方があるようです。
長野県や岐阜県、さらに愛知県の山間部などでは、スズメバチを使用した食品があちこちで販売されており、その種類も豊富です。
スズメバチといっても日本には17種類が知られていて、スズメバチ属8種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の3つのグループに分けられています。
この中で、クロスズメバチ属のクロスズメバチとシダクロスズメバチが、これらの地域では「ヘボ」と呼ばれ、古くから農家にとっては畑や田んぼから害虫をとってくれるありがたい存在であるとともに、食材としても愛されてきました。
森の中からヘボの巣をとってきて、巣の中の「ハチの子」と呼ばれる幼虫やさなぎをとりだして食べるのです。
とはいえ、ヘボは土の中に巣を作るので、かんたんには見つけることができませんので、「ハチ追い」という方法で、地中の巣をさがしだす必要があります。
また、野山のものは巣の大きさが最大になる時期でも、1~2キログラムほどなのですが、
巣箱でうまく育てれば5キログラム以上になるため、森の中からとってきたヘボの巣の飼育も盛んにおこなわれています。
これらの地域では、ヘボの巣の重さを競うコンテストが開かれています。
商品例
甘露煮
へぼ(クロスズメバチ)を使ったものがほとんど。
成虫だけのものや、蜂の子(幼虫やさなぎ)だけのもの、その両方を使用したものがある。
缶詰やビン詰で売られているものも多い。
炊き込みご飯や、ちらし寿司の具によく使われています。
煎餅
へぼ(クロスズメバチ)の成虫が入った煎餅。
餅
へぼ(クロスズメバチ)をすりつぶして混ぜたたれを付けた五平餅。
機能性飲料
スズメ蜂エキスが入った、健康の保持・増進に役立つとされている飲料水。
蜂蜜、ローヤルゼリー、プロポリスなども入っている。
アルコール飲料
スズメバチを焼酎に漬け込んだものや、日本酒に沈められているものがある。
主にオオスズメバチやキイロスズメバチが使われています。
私は食べる勇気がなく、まだ食べたことがありませんので、味や触感などの説明は今のところできません・・・
参考資料
「季節のごちそう ハチごはん」横塚眞己人
株式会社ほるぷ出版