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ハチネタブログ

高齢者ほどハチに刺されて命を落とす?真相は?

作成日:2023年08月25日(金)
ハチに刺されたことで命を落とした人の数は、厚生労働省の人口動態調査(毎年9月に前年分の集計結果が公表)で知ることができます。
そのほとんどがスズメバチによるものですが、ミツバチアシナガバチによるものも含まれています。
 
年齢別死亡者数  蜂 ハチ 蜂の巣 駆除 滋賀
 
上記の10年間の死亡者数を年齢階層別にみると、40歳未満はわずか1例(37歳男性)で、他は全て40歳以上であることがわかります。
特に高齢者に多く、60歳以上が全体の約80%を占めています。

ではなぜハチ刺されによる死亡者が高齢者に特に多くなるのでしょうか。
 
これは、ハチ刺されによる死亡事故のほとんどが山林や畑での作業中に発生しており、そのような作業をされる高齢者の割合が高いことがまず考えられます。アナフィラキシー反応が出たなら、その処置には1分1秒を争うことになりますが、この場合は街中と状況が異なり、周囲に助けを求める人がいないことが多く、また山中では携帯電話がつながりにくい場所があるほか、つながっても救助隊の到着に多くの時間が要する傾向にあります。そのため処置が間に合わず、手遅れとなるケースが多く発生しています。
 
また、加齢による各種能力の衰えがハチの刺傷被害そのものが増える原因になっていることも考えられます。各種能力とは、視力(静体視力・動体視力)、聴力、認知機能です。これらが衰えてくると、そもそもハチの危険を察知し回避することが困難になってきます。
 
ハチの巣は家屋の軒下などに作られた場合は気付きやすいですが、自然界に作られると発見が格段に困難になります。見えない場所に巣を作ることも多いので、巣ではなくハチの存在にいち早く気付けるかが重要になってきます。それには動体視力と聴力が欠かせません。加齢により、ハチ(特にスズメバチ)の素早い飛行が目で捉えられなかったり、ハチの羽音が聞き取れなくなったりすることにより、ハチの気配に気付かずに危険なエリアに侵入してしまうケースが多いようです。家屋にハチの巣が作られる場合も、他のご家族が同居されていると被害を防げやすいですが、そうでない場合は近隣住民に気付いてもらえないと、刺されるまで巣の存在に気付けないことも珍しくありません。
 
さらに、ハチの巣に気付いたとしても、それがどれくらい危険な状況であるかを正しく理解できないと、放置したり自ら安易に駆除を試みたりして、結果ハチの被害に遭うことになります。高齢のご夫婦や、高齢の一人暮らしの方の被害が特に多く発生していると感じられます。
 
 
 
 
 
 

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