アシナガバチの特徴
アシナガバチはスズメバチ科に属していて、その生態はスズメバチに似ており肉食です。
性格はスズメバチほど凶暴ではありませんが、巣に近付き過ぎると襲ってきます。
アシナガバチの毒は、スズメバチほど強くはありませんが、アナフィラキシーショックにより最悪の場合は死亡することもありますので、過去に刺された経験がある方は特に注意が必要です。
主に黄色と黒の縞模様をしています。
体長は大きい種類で25mm程度、小さい種類では10mm程度です。
アシナガバチの種類
アシナガバチの主な種類には、体長の大きなものから順にセグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、コアシナガバチ、キボシアシナガバチといったものがあります。
特に特徴的なのがキボシアシナガバチで、幼虫の作る繭が黄緑色をしており、ハチの巣全体が綺麗な蛍光の黄色がかって見えます。
アシナガバチの巣の特徴
アシナガバチの巣には外皮がなく、六角形の育房室という巣穴が露出しています。
育房室はきれいに並び、その中はまる見えで、のぞくとハチの子の状況もよくわかります。
巣は、植物の繊維質で作られ丈夫で軽く,巣盤は一段しかありません。
巣の大きさは最大で15㎝程度までで、それ以上大きくなりません。
アシナガバチの成虫は隠れ場所がないので、巣の表面にいつも群がっています。
スズメバチの特徴
スズメバチはアシナガバチと同様に肉食で、種類によっては大きさや色合いが似ています。しかし、アシナガバチよりもはるかに凶暴で毒も強く、対応を誤ると深刻な刺傷被害につながります。
日本には、スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属の3属17種が生息しており、一般にスズメバチというとスズメバチ属8種のことを指します。
それぞれ異なった特性を持っていますので、スズメバチの種類を見分けることは、スズメバチの行動を理解するために大切なことです。
スズメバチの種類
①オオスズメバチ
オオスズメバチは世界最大の蜂で体長は40mm程度あり、女王蜂はさらにひと回り大きくなります。
日本に広く分布し、おもに土中や屋根裏などの閉鎖的な空間に巣を作ります。
攻撃性が高く、集団で他の蜂の巣を襲撃することもあります。
②ヒメスズメバチ
ヒメスズメバチはオオスズメバチに次ぐ大型のスズメバチで、体長は30mm程度になります。
木の洞、屋根裏、床下などに巣を作りますが、規模は比較的小さく数十匹程度の集団で生活します。
他のスズメバチと比べておとなしい性格で、尾部が黒いのが特徴です。
③キイロスズメバチ
キイロスズメバチは体長が20mm程度で、日本に広く分布するスズメバチ属のハチのなかでは最も小型です。
営巣規模は大きく、直径は50cm以上になり、1,000匹を超える集団を作ることもあります。
営巣場所を選ばず、攻撃性が非常に高いことから、日本で最も被害例が多い種類です。
④コガタスズメバチ
コガタスズメバチは中型のスズメバチで、体長は25mm程度です。
樹木に巣を作ることが多く、巣の存在に気付かずに剪定作業をし、巣を刺激して被害に遭う例が多く見られます。
⑥チャイロスズメバチ
チャイロスズメバチは、頭部と胸部は赤褐色で、腹部全体が黒色をしているのが特徴です。
体長は25mm程度で、閉鎖空間に巣を作る傾向があります。
別のスズメバチの巣を乗っ取ることがあります。
上記の5種類に比べると非常に遭遇しにくいスズメバチで、『幻のスズメバチ』と言われています。
⑦ツマグロスズメバチ
上記の6種類のスズメバチが日本に広く分布しているのに対し、このツマグロスズメバチは沖縄のさらに南西、石垣島などの八重山諸島に生息しているため、近畿地方では遭遇することはありません。
体の色は赤褐色及び黒色をしています。
⑧ツマアカスズメバチ(外来種)
近年、日本への侵入が確認され生態系への影響が懸念されているのが、外来種のツマアカスズメバチです。
繁殖力が強く獰猛で、ミツバチを好んで捕食します。
樹木の高い位置に営巣するのが特徴で、巨大な巣を作り、非常に多くの集団を形成します。
長崎県の離島である対馬に侵入していることが報告されて以降、福岡県、山口県でも確認の報告があり、さらなる拡散が懸念されることから特定外来生物に指定されています。
全身が黒っぽく、腹部の先端が赤褐色をしています。
スズメバチの巣の特徴
冬眠から覚めた女王蜂は、初期にはトックリを逆さにしたような形状の巣を作ります。
スズメバチの巣は外皮で覆われ、「球型」あるいは「卵型」の形状で、巣内は見えません。巣の材質は木材の外皮や木質でできており、集団が大きくなるにつれて巣も巨大化していき、巣内の巣盤が何段にも重なってゆきます。
スズメバチの巣には1個の小さな穴があり、ここから成虫は巣内に出入りしています。
巣の出入口には常に見張り役がおり、辺りを監視しています。
巣の大きさは、コガタスズメバチで直径20cm以上、キイロスズメバチでは直径50cm以上に成長することがあります。
ミツバチの特徴
ミツバチは非常に体が小さく、ハチの中では最もおとなしい性格だといわれています。
さらに、一度人を刺すと死んでしまいますので、よほど巣に近付いて刺激しなければ、自分から人を攻撃することはめったにありません。
他のハチとは異なり、養蜂による蜜の採取や作物の受粉にも広く用いられるなど、人にとって有益なハチといえます。
住宅地でも趣味でミツバチを飼われる方がおられますが、ミツバチには分封(ぶんぽう)とよばれる引っ越しの習性があり、ご近所に巣を作ってしまうことがありますので注意が必要です。
2012年に養蜂振興法が改正され、原則としてミツバチを飼育する場合には都道府県知事への飼育届の提出が必要になっています。
ミツバチの種類
ニホンミツバチ
日本古来の野生のハチで、体全体が黒っぽく小さな体をしています。
一般的にセイヨウミツバチよりもおとなしいとされています。
セイヨウミツバチ
養蜂を目的として輸入されたハチで、黄色っぽくニホンミツバチよりやや大きな体をしています。
セイヨウミツバチはニホンミツバチよりも多くの蜂蜜を貯めるため、養蜂業者や趣味で養蜂をされる方におもに飼育されている種類です。
ミツバチの巣の特徴
ミツバチは主に屋根裏や床下、木の洞など人目に付きにくい場所に巣を作ります。
巣の形状は、自然の状態では巣板と呼ばれる鉛直方向に伸びる平面状の構造のみからなり、ニホンミツバチやセイヨウミツバチは複数枚の巣板を形成し、10枚以上にのぼることがあります。
巣板は六角柱が数千個接続した構造で、このような構造をハニカム構造(honeycomb、蜂の巣の意)と呼び、強度に優れ、材料が最少で済むという特徴があります。
通常は巣板の表面を数千匹~数万匹の成虫で覆われているため、黒っぽい大きな塊となっています。
巣が成虫で覆われている場合は、蜜が垂れてくることはありませんが、巣が大きくなったり、ミツバチを駆除した後の巣の処理を怠ると、巣に蓄えられた蜜が天井や壁などから部屋の中に染み出してくることもあり、その蜜の匂いに誘われてゴキブリやアリ、さらにはスズメバチを引き寄せるほか、天井や壁を腐らせるといった問題も発生します。
新たな女王蜂が誕生した巣では群の分割(分封)が起こり、旧女王バチは働きバチを半数ほど引き連れ、新しい営巣場所を探しに出ます。
木の枝などでミツバチが数百匹~数千匹の塊になっている事がありますが、これは、分封の際に新たな営巣地を見付ける途中で休んでいるだけで、通常は2日程でいなくなります。