ハチネタブログ
【駆除業者選びの失敗例】 スズメバチ駆除で自宅炎上!訴訟へ
京都府内のある家庭が、スズメバチ危機にさらされ、インターネットで見つけた駆除業者に巣の撤去を依頼した。テレビでも取り上げられたことがある業者だったが、安心もつかの間。作業中に何と、自宅が炎上焼失するという本物の災厄に見舞われてしまう。家族側は業者側に計約5,800万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に訴訟を起こした。
訴状によると平成26年10月、山田家(仮名)の愛犬がスズメバチに刺され、数日後に死亡。さらに長男も刺される被害に遭った。木造平屋建ての母屋は、かやぶきにトタンをかぶせた構造になっている。一家はこのかやぶきのどこかに、巣があると確信した。
インターネットでスズメバチ駆除業者を検索し、大阪市内のある業者に依頼することにした。
この業者のホームページは映画の宣伝サイトのような凝ったつくりで、「駆除のスペシャリスト」を名乗り、民放のバラエティー番組で駆除作業が取り上げられたことも動画付きで紹介されていたために、安心感を抱いたからだ。
作業員2人が駆除に訪れ、かやぶきのどこに巣があるのか特定しないまま作業をスタートさせ、いきなり薬剤のスプレーを散布したのだという。
スズメバチは当然、逆襲を仕掛けてくる。どこからともなく飛来したハチにおびえたのか、2人は頭上のかやぶきの中に発煙装置をほうり込み、煙幕を張った。
散布したスプレーのガスが充満しているところに、発煙装置を投入したのだ。当たり前の帰結として、引火した。
住人たちが火災に気付いた時にはすでに手遅れ。命からがら、逃げ出すので精いっぱいだった。貴重品や位牌、思い出の品など何一つ持ち出すことができなかったという。
スズメバチの巣を駆除するはずが、大事なマイホームを焼失した山田家。駆除業者と作業員2人を相手取り、自宅の損害や片付け費用、慰謝料など計約5,800万円の賠償を求めて提訴に踏み切った。
記事元
この駆除業者は、2人もいながらなぜそのような無茶な駆除方法を選択したのか、不思議でなりません。
専門業者なのですから、わざわざスペシャリストと宣伝する必要はなく、駆除ができて当然のことですし、番組で取り上げられたことがあるから安心できる業者だとは言えない、わかりやすい例です。
毎年ハチの被害が増えるころ、テレビなどでその怖さや駆除作業の様子が伝えられますが、そのような番組の制作会社は、撮影に協力してもらえるハチの駆除業者を探し、あちこちに依頼をしているようで、実際に何度か出演の依頼をされたことがあります。
その都度お断りをしているのですが、その理由は、過度の演出が求められるからです。
興奮状態で飛びまわるスズメバチの大群と格闘している様子などがその典型で、製作会社は派手で見栄えのする、インパクトのある映像を求めます。
製作側としての希望は理解できますが、わざとハチを刺激して危険な状況をつくり、巣の場所によっては撮影のため、壁や天井などに必要以上の開口を開けることになります。
本来、我々ハチの巣駆除の専門業者は、ハチを興奮させず安全に、そして必要以上に家屋を傷付けずに駆除することを追及すべきであるのに、これでは正反対の行為ですし、なにより駆除のご依頼をされたお客様にもご迷惑をかけてしまいます。
駆除業者を選ぶ際は、過大広告には注意するようにしてください。